美麻/おおしお市民農園日記

                                   2号棟 菅 育夫

2001年8月-12月 : 憧れ半分、不安が半分


 以前より、55歳にもなれば都会での生活におさらばして、田舎・特に安曇野地区での
 生活を夢みており、北アルプスを望める土地を探して池田町、大町、白馬村、そして
 美麻村を車でしばしば訪れていました。新行のグランドで鹿島槍を見ながら、車で寝
 泊りしたことも何度かあります、実はあの不審な車は私でした。
 最終的に土地を求めるにしても、冬の生活に適応出来るか否かを見極める必要を感じ
 ていました。そんな折、美麻村の市民農園のことを知り、これだと思い、8月の市民
 農園説明会に参加することにしました。説明会では応募倍率が高いと脅かされ、単身
 で応募せざるを得ない自分としては、応募文章は、無い知恵を絞りに絞って作成して
 提出しました。あんなに真剣に文章を書くことはもう二度とないことでしょう。
 発表予定の12月8になってもなかなか返事がなく、不安にかられる中、12月も暮れに
 待望の通知が届きました。これでやっと美味しいお屠蘇が飲めることになりました。


2002年1月- 3月 : 希望(またの名を独立農園国:おおしお)


 美麻村おおしお市民農園における私的生活の基本原則「美麻農園憲章」をまとめる。
  1. 文明の利器の持ち込みは最小限に押えること。
  2. 不便を楽しみ、状況変化に適切に対応できる農民になること。
  3. 信州の冬が寒いのはあたりまえ、冬の田舎暮らしを積極的に堪能すること。
 年間の美麻訪問計画と行動計画(美麻での生活は、農作業が3分の1、登山が3分の1、
  残りが避暑とする3分割案を採用する)を作り、4月の訪れを心待ちにする。

 
2002年4月- 7月 : 新しい生活の始まり(それって変身願望?)

 農作業
  後藤さん、シルバーの先輩方の手取り足取りのご指導を受けながら、農作業を始め
  る。畝立て、マルチ掛け:素人にしてはまあまあかな、と自己満足。
  定番の枝豆、トウモロコシ、ナス、トマト、キュウリを植える。
  自分好みのブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリーの3Very?を植える。
  職場でパプリカを勧められ、カラーピーマン(赤、黄)を植える、カラーピーマンと
  パプリカっておなじものだっけ?同じもだと期待しませう、よしんば違っていても
  そこは愛情でカラーピーマンをパプリカに変えてみせませう。
  貧乏性ゆえか、美麻の農園に来たならば何か農作業をしなくては気がすまない、
  確かに草取りが毎回あるのだが、それ以外の農作業でなくては気がすまないので
  ある。気がついたら、農園の周囲の空地に草花が植わっていた。コスモス、桔梗、
  トルコ桔梗、カモミール、レモングラス、ガザニア、リンドウ、etc.
    俺って、いつから"花とおじさん"になったの?自分の意外な一面を見てしまった。

 登山
  五月の連休に、鹿島槍の布引尾根と赤沢岳の山スキーに出かける。今年初めての
  山スキーゆえか惨めな敗退であった。他人が見ていないからよかったが、俺って
  こんなに下手クソだったのか、来年の春は、鍛えなおして再挑戦しなくては...
    草取り、農作業に追われて春は山に行けなかった、来年は要領よく農作業をしなく
  ては。他に、村民登山の白馬岳と、山スキーの偵察(荒菅沢)のため雨飾山に登る。
  8号棟の昆さんを少しは見習わなくてはダメですよ!
    
 環境
  一週間も経つと農園の周りの環境ががらっと変わる、雪解け水が田圃に流れ込む
  ころの4月上旬にはカエルの合唱団のお出迎え。6月上旬にはセミの大合唱、中旬に
  はホトトギスが一日中「トッキョ キョカキョク」と鳴いている。唐松林も萌黄色
  から滴る緑へと表情を変えてゆく。


2002年8月-10月 : 収穫の喜び
   
 パプリカ(愛情の贈り物)        草花(コスモス:私の中の新発見の宇宙)

               


2002年11月-    : 冬よ来い、僕に来い(詩の一節より)


 11月1日(金): 半月ぶりに美麻を訪れてビックリ、一挙に冬の装いに変わっている。
 コスモスが枯れているのは予想していたが、パプリカ、ナス、レモングラス等が雪の
 ために枯れているのは予想外、特に愛情を込めて育てたパプリカは収穫途中でもあり
 、何か申し訳ない気がする。
 一足早い冬の訪れに戸惑いながらも心の片隅でこれからが本番とささやく声がする。
 この冬の生活そのものが農園で生活する大きな目的の一つでもあったのだから、これ
 をうまく乗り越えたなら安曇野での生活に大きな一歩を踏み出すことが出来るのだか
 ら...。
 
 この冬の生活を楽しむために、農園の周りの地形を利用して歩くスキーのコースを
 整備してみよう、設計図は頭の中に描けている、後は積雪の状況次第である。
 冬と向き合うために、他におもしろことは何かないか...と思案中の今日このごろで
 ある。



HOME