今日のおおしお市民農園




2012年09月06日(木): 9月に入っても、未だ暑いです。
夏眠明けを待つ今日この頃、アイヌ語地名の第三弾です。



松前城 (2012/07/08 撮影) 蝦夷地統治の本拠地でした。


アイヌ語地名:(オマ: oma)


今回は、北海道の地名の語尾に、しばしば登場する「前、舞」(オマ: oma)の紹介です。
 (前回の第二弾で紹介した、動詞 "ush" の次に出現頻度が高いのが"oma"です。)


苫前:苫前町
松前:松前町
幣舞:釧路市

さて、”(オマ : oma)ですが、「ある」「入る」「入っている」等に訳される動詞です。
地名の場合、その後に名詞の「川」等が付くか、「物、者、処」等を指す"-i","-p"を付けて、名詞化します。

前置きはこの程度にして、実際の地名を見てみませう。

苫前(とままえ):苫前町
 (トマ・オマ・イ: toma-oma-i) エンゴ草・ある・処 の意です。
  風車(風力発電)の町です。道の駅「風Wとままえ」には温泉も在り、入浴しました。

 (風力発電、その立地場所(条件)と稼動率が、気になります。東北から北海道の日本海側に、
  林立しています。しかも、産業が未発達な場所に集中しているのです。(土地の取得し易さも有るでせうが、)
  これはいったい何を意味するのでせうか...? しかも、お休みの風車も多く見受けます。)

松前(まつまえ):松前町、云わずと知れた、松前城下の町です。
 (マツ・オマ・イ: mat-oma-i) 婦人・いる・処 の意です。(伝承は...?)
 桜で有名ですが、地域起こしでは、江差に負けているかも?

幣舞(ぬさまい):釧路市、「幣舞橋」 = 演歌を思い出します!
 (ヌサ・オマ・イ: nusa-oma-i) 幣場・ある・処 の意。
 ヌサは、神祭りのための木幣(inau)を立ち並べた幣場。
 ヌサは和語とも取れそうですが、どうなのでせう?

真駒内(まこまない):札幌市、通過するばかりの地です。
 (マク・オマ・ナイ: mak-oma-nai) 山奥に・入っている・川 から、今の地名に。
  苫小牧(とまこまい)も、この(マク・オマ・イ: mak-oma-i)の系譜だそうです。

美唄(びばい):美唄市
 (ピパ・オマ・ナイ: pipa-oma-nai) カラス貝・ある・川 から。[松浦図]
 (ピパ・オ・イ: pipa-o-i) カラス貝・ある・処 の意。[駅名の起源・29年版]
    なお、"-o" は "-oma" の複数形として扱われています。

サロマ湖(さろま湖):オホーツク海側の大きな湖です。本来は、単に(トー: to)と、呼ばれていた。
 (サル・オマ・トー: sar-oma-to): 葦原・ある・湖。後日の名前。
 (サル・オマ・ぺッ: sar-oma-pet): 葦原・ある・川から。上記の名に。
  30年以上前の2月、網走から紋別迄歩いた時、凍結したサロマ湖を縦断した経験があります。
  その時、羽田 - 女満別間で利用した飛行機は、「YS-21」。着陸時、風にあおられ怖い思いをしました。

樽前(たるまえ):苫小牧市。 樽前山が有名。
 (タオル・オマ・イ: taor-oma-i) 高岸・ある・もの(川) の意から。
  "taor" は(タロ)と訛り易いそうです。「タロマイ」から「タルマイ」に変化か。
  支笏湖北岸から見る冬の樽前山、白いスポンジケーキの上にチョコレートをトッピングした
  ショートケーキの様に見えます。(甘いものは苦手ですが...。)

タルマップ川(たるまっぷ川):留萌川の北支流。 "oma-p" の例です。
 (タオル・オマ・プ: taor-oma-p) 高岸・ある・もの(川) の意。


<参考>: アイヌ語では、動詞、形容詞の後に"-i" をつけて名詞形を作る。
 意味は「もの、者。処」である。(山田「アイヌ語地名の研究、1」p.90 より)
 なお、"(語尾が母音+)-p, (語尾が子音+)-pe" も同様である。



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